ああ、そうだ。
わたしは何を今更思っているのだろう。
彰にとってわたしは、彼女のいう定位置にいるだけの遊び相手の一人にすぎないこと。
自分が一番分かっていたくせに。
きっと、クリスマスも、大晦日も、お正月も他の女の子が彰の隣にいたんだろう。
大きなイベントでそうだったのだから、バレンタインデーなんてちっぽけなイベントはもっと関係ないんだ。

そのミキちゃんって子は、きっとチョコレートを渡すのだろう。
彰はそれで「ああ、今日はそうなんだ」と気づくだろう。
わたしの前で、平気でチョコレートを食べるかもしれない。

わたしは愛されていないのかもしれない。
目一杯に詰め込んだパフェが喉をせり上がってくる気がした。