「これで、もう馬鹿にされない。」


桜は、上機嫌でした。


そこへ、子どもが帰って来ました。


「お母さんは、どこ?」


「お母さんは、帰ってしまったよ。」


桜は、嘘をつきました。


何故なら、子どもに本当のことを話たら、子どもは桜を嫌う、という事を知っていたからでした。


「じゃあ、帰るね。さよなら、桜の木さん。」


「さよなら、人間の子どもさん。」