それはいつの事でしょうか。


ある所に一本の桜の木が立っていました。


その桜の花びらは、色素がうすく、限りなく白に近かったのでした。


そんな桜はある日、馬鹿にされました。


「あんなに色がうすくては、いくら満開だろうと、なかなか桜と気付けない。桜ではないのでは?」

桜の木は、とても傷付きました。


立派な桜、自分はそうだと思っていたのですから。