なおとはパソコンで文学小館を検索してみた。色々な分野があった。クリエーターズフォーラムに興味を持った。さっそく、イラストを応募してみたテーマのあうイラストだった。なおとは毎日、イラストを書いたり詩を書いたりの日々だった。「卒業」というテーマなので桜の木のイラストを送ってみた。こんなに熱中したことがなはった。福祉事務所には、定期的にいっていた。少しずつお金もたまっていた。三月も過ぎ詩集のコンテストの発表があった。どうやら、落選したらしい。
 
一時頃電話が鳴った。文学小館からだった。
「井上さんのおたくですか」
「はい」
「文学小館のたなかといいますが、お時間は、よろしいでしょうか」
「はい」
 本の出版の話である。時間はとらせないから一度たずねてくれとのことだった。行って見ることにした。約束の時間は金曜日の午後二時だった。なおとは四谷まで出かけていった。丁寧な、挨拶を受けて、本題にはいった。共同出版したいとのことだった。でも、五十万円かかるといった。詩は百篇、クレジットでもいいといった。でもなおとは福祉なのでためらった。現金でだすことにした。日取りを決めてもっていくことになった。現金を払い書類も全て整った。3回みなおしがあるとのことだった。題名は「あんぽんたんへの道」とタイトルをつけた。

新宿の白旗診療所の通院もなれてきた。病院の帰りは西口のビル街を探索した。障害者手帳一級の手帳で、都営地下鉄、都バスの定期を作って、あっちこっち遊びまわった。都バス都営地下鉄は無料であった。浅草の雷門まであそびにいった。晴海ふ頭や葛西臨海公園までもいった。そうして遊んでいる内に本ができた。立派なものだった。全国テンポ50社に詩集の本をならべるといった。たとえば、紀伊国屋書店など。売れてるみたいだった。