待ちに待った中学デビュー。
制服を来た菜実は、鏡の前に立った。
「よし。やっとこの制服を着て過ごせる日が来たのかあ…」
〔笹本 菜実〕
とびっきり可愛くもなく
とびっきりお金持ちって訳でもない、普通の女の子。
紺色のブレザーに灰色のスカート。菜実はこの制服が着れる日を楽しみにしていた。
そして階段を駆け下りて、家族がいる一階へと向かった。
「見てみて〜この制服、少し大きいけど。」
最初にお姉ちゃんが駆け寄ってきた。
「うわあ!似合ってる似合ってる♪最初はみんな制服大きいって思うけど、そのうちピッタリになってるよ。」
お姉ちゃんの名前は、梨央。
身長が高く、勉強も部活もすごい自慢の姉だ。
菜実と梨央が話ていると、お母さんも駆け寄ってきた。
「あら〜!いいじゃない。菜実も中学生になるのかぁ〜。頑張ってね!」
「うん。ありがとう!」
「ぢゃあご飯だから、座っててね。」
お母さんが慌ててキッチンへと向かった。
梨央と菜実は椅子に座って話していた。すると、梨央に手紙のような物を渡された。
「それお父さんから。お父さん仕事で先に出ちゃったから、菜実の制服姿見れなくて、悲しそうだったよ。」
「そ〜なの?」
手紙開けて、お姉ちゃんと2人で手紙を見る。
「お母さんに入学式の写真とってもらいなね。お父さん喜ぶから。」
と言って、梨央はデジカメを渡した。
「はーい、ご飯出来たよ。菜実、ブレザー汚れたら大変だからブレザー脱ぎなさい?」
初めての制服で気がつかなかった菜実はブレザーをイスにかけた。
「いただきまーす!!」
その後も笑いの耐えない話しが続いた。
待ち合わせ時間が迫ってくる。菜実は急いで支度を済ませて家を出た。
「行ってらっしゃーい!!」
と手をふる梨央。
「行ってらっしゃい!気をつけてね!迷子になったら、同じ制服の人に聞くのよっ!!」
心配そうに言う母。
「うん!行ってきまーす♪」
急ぎ足で待ち合わせ場所にむかった。
そこには小学生からの友達の、優美と絢菜がいた。
挨拶を交わして、早速初めての通学路を歩き始めた。