-8月2日-


午後5時30分


「かな!じゃ俺は塾行って来るね。8時には帰って来るから、それまでここにいな!」


「うん分った!」


「じゃ、いってくんな!」


「いってら!」



これが大輔との最後の会話だった。


午後5時45分


大輔ママに頼まれてあたしが電話に出た。


「もしもし?」


「そちら一瀬さんのお宅で間違いないでしょうか?」


「はい。」


「警察です。息子さんが交通事故にあって間宮病院に緊急搬送されました。大至急病院に来てください。」


あたしは受話器を落とした。

それに気付いた大輔ママが代わりに受話器に耳を当てた。


「もしもし?もしもし?」


「はい!どなたですか?」


「警察です。息子さんが交通事故にあって間宮病院に緊急搬送されたので大至急来てください。」


「えぇぇ?大輔がですか?分りました。大至急向かいます。」


大輔ママは冷静だった。