≪桜子side≫
由美子とちょっとした張り合いから、2週間後。私は今、図書館で勉強してる。由美子だって、勉強できないとか言ってるけど、本当はやればできるのに…。やろうとしない由美子が、私にとっては心配だった。その心配が、由美子をきっと不機嫌にさせてしまったと思う。あれからあまり話さなくなったから。
「…はぁ、」
勉強って、悩み事あると集中できなくなるの…なんでだろう。もう、何この問題、意味わかんない。
「~っ…」
っと伸びてみるけど、やっぱりわからなくて…。答えみちゃおうかな…。
そう思った時、ふと視線を感じた。
誰だろうと思って、真正面を向くと、同じ歳くらいの男の子が私をじっと見ていた。
「…あの、?」
「あ、や、ごめん!」
「私何かしました?」
「いや…なんていうかその」
「?」
男の子は、ものすごく戸惑っていた。…話し掛けない方がよかったのかな。
「俺の彼女にそっくりで…」
「彼女さんですか、」
「髪はロングなんですけどね」
「はぁ…そうですか」
私は肩につくくらいのショートだからね。ロングって…由美子もロングだ。
「その問題、わかんないの?」
「あ、そうなんです…」
「教えてあげようか?」
「いいんですか?お願いします」
その人は、とても親切で、説明の仕方からしてとても頭がいいと思われる。それに…かっこいい。
「あぁ!そっかぁ」
「ものわかり早いねぇ」
「そんな事ないです」
ほんの少しだけ、ときめきを感じたのを心の隅に。私は、この時間をとても楽しく思えた。