「ん、んん…」
朝陽が私の顔を照らして、それが眩しくて目が覚めた。時計を見ると、7時過ぎ。休日にしては、かなり早く起きたと思う。ふと気が付くと、携帯が光っていた。メールが1件きていた。そのメールは、あの人からだった。
――――――――――――
名:小酒井怜治
件:Non title
――――――――――――
こんばんわ。
もう1ヶ月も、塾来てな
いじゃん。
話したい事があるから、
明日の10時にいつもの公
園に来て。
待ってるから。
――――――――――――
なんでメールするのよ。しないでよ…会いたくないよ。会っちゃったら…だって…もう、好きって認めるしかないじゃん。
いつもの公園、それは私の部屋の窓から見える公園。
そっと窓を見ると、まだ誰もいなかった。
「はぁ…」
何のため息かさえ、もう私にはわからない。
ベッドから立ち上がって、着替えると部屋を出た。
「あ、おはよ、由美子」
「おはよぉ」
「昨日はあのまま寝たの?」
「うん」
「随分長く寝たね…」
「はははは…」
2人して、似たような笑い方で笑った。
「お母さんは?」
「もう仕事行ったよ」
「そっかぁ」
「あ、朝ご飯用意してあるから食べてね」
「うん」
桜子はそう言って、自分の部屋へ入ってった。