由美子の言う、いつもの公園につくと、すでに由美子がブランコに乗って待っていた。
なんだかいつもと違って、顔が緩んでる気がする…。


「由美子っ」

「あ、癒衣里ぃー」

「今日は、どうしたの?」

「あのさぁ…お知らせがあるの」

「何々ー??」


由美子の隣のブランコに乗って、そう聞くと由美子の頬が少し赤らんだ。
何かいい事があったのかな!ってウキウキしてると、由美子の口から吃驚な言葉が発した。



「あたし、彼氏できた」

「…そっかぁ、って…ぇぇぇえええ!?」

「てへ!」


由美子は可愛らしく下を出して、笑顔を向けた。
てへ、って…。別に由美子に彼氏ができた事に驚いたんじゃなくて、その彼氏が…、


「ま、まさか、山岸先輩?」

「そーなのぉっ」


私がその名前を言った瞬間、由美子の口が揺るんだ。
あ、あの山岸先輩と…。根は良い人だけど、由美子と付き合ってきた人の中で1番ヤンキー的な人ですよ…。その山岸先輩の親友が、見た目はちょい悪で本当はすごく頭の良い意紅琉先輩ってのも驚きだったけど…。


「そっかぁ!両想いだったんだね!由美子を守ってくれる人がまたできて、本当良かった」

「ありがとう!」

「…今度は、ちゃんと守ってくれそうだね」

「うん…」


由美子には、誰にも話せない悲しい過去があった。でも、由美子は私にそれを話してくれた。そう、全てを私に。



「癒衣里…」

「何?」

「今の気持ち…よく考えてみな」

「…え?」

「初めてでよく判らないかもしれないけど。私は癒衣里見てて、わかるよ。行動や発言の1つ1つの気持ちとか」


由美子は私の全てをわかってた。由美子は私をちゃんと理解してくれてた。本当、良い親友を持ったよね、私。