「意紅琉先輩は、女嫌いでアドレスにも女の子のメアドはナイだとか…これは、悪魔で噂だけど。でも、女嫌いで女の子とあんまメールしないのは確かっ!だから、彼女いないのよぉ!」
「へ…へぇ…由美子すごい分析だね…」
「当たり前じゃないっ!このあたしを誰だと思って?」
由美子は、両手を腰に当てて[オホホホホ]と笑った。
そんな由美子は、なんだか私をどこか応援している様にも見えた。何を応援しているのかわからないけど。
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それから、先輩とは毎日学校でも家でもメールをすようになった。時々には、電話で声を聞いたりできるときもあった。私と意紅琉先輩にとっては、もうそれが日課になっていて。それは、私にとって毎日の楽しみでもあった。でも、未だにどんな顔の人かは、判らないまま。
でも、顔を見れる日がやってくるとは予想もしてなかった。ずっと、このままメールの人だけと思っていたから。
意紅琉先輩と出会い、メールをし始めてから2ヶ月が経った頃。中学1年生の9月。運動会も来週の土曜日に近付いていた。金曜日。
「ねぇ!癒衣里さ、明日あいてる?」
「え、うん…。大丈夫だよ」
「じゃ、カラオケ行こうよっ」
「カラオケかぁ、イイね」
「癒衣里のそのキレイな声を聞きたいのぉーv」
「そんなお世辞…」
そうして、私と由美子はカラオケに行く事になった。