あ…ほんとだ。

彼女の言葉に空を眺めると、雨上がりの綺麗な空。

虹…は架かってないけど。

「残念、虹はないみたい。」

思っていたことを言われて、びっくりした僕に彼女は悪戯っぽく笑った。

「ありがとう、私、行くね。」

最後に濡れた僕の髪の毛を軽く撫でて、彼女はフワリと微笑む。