ガラッ


湿った空気の保健室。




「貴くん?」



先に気付いた亜優がベッドから
俺を見た。



「倒れたとこ、
調度見かけたから。」



元々、体が強い方じゃなかった亜優。



でも、手に握られていた物を見て、立ち止まった。



「亜優、
何を握ってんだよ……。」



初めて気付いたように自分の手を見る亜優。




「あぁ、
このナイフ?
みゆちゃんを
殺す為だよ。」



「……!?……。」





「みゆちゃんさえ
いなければ
私は病まなくて良かったのに。」