「親が、ケンカを増長するのはどうなんでしょう?」


「ファイアルの民はみんなそうだよ。」


 ハッハハハと笑う、その親の神経が、グストには理解できなかった。


 もしギルの言うとおりなら、これでも貴族なのだからファイアル人は理解が出来ない。


「いくぞ!」


 剣を構えるギル君。


 抜き身の剣。


 確かに一度も使われた形跡のない剣は、鏡のように光っており、太陽と反射された刃はキラキラと光り、切れ味もそうとうなものであることが想像できた。


「さぁ、こい!」


 一方、グストが目を見張ったのは、リンの構え。


 腰を低くし、足を大またに開いた形『相撲』という競技をどこかの本で読んだことがあるが、彼女の構えは、まさにその『相撲』の『力士』が構えるそれだった。


 ・・・ドワーフの戦い方!


 グストはすぐに察した。