「ライスト王国?人間の町か?」
「そうだ。そして、一番の金持ちが集まっている町でもある。とりあえず、服を買おう。こんなつぎはぎだらけの服では、みっともない。」
「・・・・・・。」
リンはそれを聞くと、自分の格好を見渡す。
「そうか?」
その顔は、どこがおかしいのか、本気で分からないといわんばかりの顔。
「そうだ。お前は、これから人間として生きる。人間としての知恵を身につけ、人間としての作法を知る。難しいかもしれないが、お前の人生はこれからだ。」
幼い子供は苦手だ。
どうしても、病気で命を落とした甥を思い出す。
彼女だけは、その二の舞にだけはしたくない。
過保護にするつもりはない。
アイスラに立ち寄るのは、彼女の貰い手を捜すため。
服を買い、貰い手を見つければ、それでさようならだ。
しかし・・・。