「? 何の話だ?」


「いや、なんでもない。さて、ここから先は、ライスト王国の領地だ。三日かけて、ライスト王国の首都に行く、世界で一番金持ちの国だ。そこなら、お前の貰い手も見つかるだろう。」


 一大商業国家ライスト王国。


 全ての国の中心にあり、すべての国の資源がそろう。


 まさに、金がうごめく町。


 貰い手を捜すならば、あそこだろう。


 さらに言うなら、あそこの利点は『特技がないものも生きていける』というところにある。


 力なき者に地位を与えない、ファイアルの国。


 無知が何よりも罪と考える、アイスラの地。


 芸のないものに、生きる術を与えない、フーガの地。


 業なき者に、かける言葉すらない、ドーラの地。


 馬鹿馬鹿しいとは思えど、グスト自信がアイスラの出身であり、その頭脳は他民族を圧倒するため、人のことは言えない。


 身体で覚えろとバカスが言った拳銃の扱い方も、その形を見ただけで、どのような仕組みで、どのように使えばいいのかを理解したほどに。