拳銃を手に入れた時点で、グストの目的地は、アイスラだった。


 しかし、思わぬ拾い物をしてしまったため、寄り道をせざるを得なかった。


「なんだ?これは?」


 リンは、グストに渡された、布切れを見て頭を捻る。


「服だよ。さすがに、そんなぼろ布一枚だけで街に入るわけには行かない。髪の毛も切るぞ。」


 さすがにこの年齢の子に合わせた服はないため、グストは自分の服を彼女のサイズに調整した。


 ドーラの民ほど器用ではないため、その服は、つぎはぎだらけだが、ボロ布一枚よりはマシだろう。


 足元まで延びきった髪の毛を切ると、可愛らしい顔を見ることが出来た。


 高い鼻に、小さな唇。


 大きな目。


 10年後には、さぞ美人に育つことであろう。


 無論、そこには『生きていたら』という前提条件が付くが・・・。