「…今何て言いました?ごめんなさい。」
「お嬢さんは心臓病を患っています。その心臓病の治療がもう出来ない状態にあります。もって4ヶ月、早くて1ヶ月です。」
「…娘は、4ヶ月で死ぬと?治療が出来ないって‥死をただ待てっていうことですか?あんまりじゃないですか。あのこまだ16ですよ?そんなはずないわよ‥」
「お母様のお気持ちはわかります。手術などの治療は出来なくても、薬を飲んで進行を遅らす事はできます。少しでも凛さんに生きてもらいたいと思っています。凛さんが生きたいように生きてもらいたいので、入院は結構です。心配な事がありましたら困るので、1ヶ月に1回通院してもらいます。お母さんも一緒に頑張りましょう。」
「はい‥。」
「また明日、凛さん以外の家族の方といらっしゃってください。説明させていただきます。」
コンコン。
「凛、帰ろっか!吉川先生、ありがとうございました。」
お母さんは目が真っ赤だった。あくびでもしたのかな。
「いえっ。それより、入院はしないのですか?」
「ええ。軽い貧血だったみたいで。」
「でしょー?言ったじゃん!よかった。死ぬ病気だったらどうしようかと思った。」
「こら、簡単に言うな!」
「はははは〜」
「あっ、それでは学校に戻りますね!テストの採点が残ってますんで。」
そう言って吉川は帰った。吉川と仲良くなれた事が嬉しくて、ずっと笑顔だった。