完全に憂鬱になって、再び机に突っ伏す。


どうか、覚えてませんように…。


そう、諦めながらも願ったが、やはり無駄だった。



机の横にかばんをかけながら、更科魁斗は微笑みかけてきた。


「よろしくね、光咲さん」


まずは、あの時とは別人のように。



それから、私の耳元で、囁く。




「…入学式の前はどうも。結構痛かったぜ。
姫璃ちゃん」




それから、悪魔の微笑み。



私は心の中で、大きくため息をついた。