その宝城学園、高等部の正門前で、私は1人立っていた。

幼稚園に入る前から付き合いのあった親友を待っているからだ。



でも、さすがに遅い。

入学式は後30分で始まる。
しかも、私は新入生代表で挨拶をしなくてはいけない。
つまり、早めに行かなくてはいけない。

(―遅すぎるっ!)


携帯を出して、電話をかけようとした。