でも、その為にキスをされ続けるのも嫌だ。



…考えた末、口を開く。


「私の名前なら、嫌でも後で分かるでしょ?だから、離して」


男子が、フッと笑った。

「へぇ。それくらい分かる脳はあるわけね」


わぁ、うざい!


「…馬鹿にしないで、この変態」

呟いて再び睨み付けると、手の自由が戻った。

「気づかないなら、このまま続けてやろうと思ってたけど、止めてやる」


何、その偉そうな態度。


「あんた、最低ね」
そう言って、ドアを勢い良く開く。

ガン、と鈍い音がした。