看護基礎実習二日目。昨日と違い、今日は同じてつは踏まないぞと誓い、実習に臨む。行動計画を担当ナースに言う。観察項目に「喀痰状況と肺音の確認」を入れた。そして今日は「清拭」を計画に加えた。患者さんの体を拭くのだ。患者さんの入浴は週に一回だったので、看護学生はよく行動計画に「清潔の保持」を加える。ナースは了承した。あと他の処置があれば、是非見学させて欲しいことをお願いした。

 さっそくバイタルサインを測る。本当は血圧は安定していれば、毎日測らなくて良いのだが、一人しか受け持っていないので、べったり患者さんに関われるから測ることにした。ナースも必要ないとは言わなかった。昨日と違い、10分ほどでバイタルサインは測れた。次は患者さんの状態観察だ。普通はナースならバイタルを測りながら状態観察をするものだが、別々にするところがまだ未熟な点である。痰は、ごろごろしていない。夜勤で最後にサクションしたのは朝の8時と言っていたから、痰がたまっていない。顔色はどうか。果たして良いか悪いかわからない。だが昨日と比べると変わらない。ということは変化無しだと判断した。そこへ教務の先生が来た。一緒に清拭をしてくれることになった。先生は、

「必要物品を用意して。」

と言う。私は基本通り、ピッチャーにお湯を入れ、洗面器とタオル2本を用意した。タオルは1本は乾拭き用に使う。学校では温度計も使ったけど、見あたらなかった。先生に事情を話すと、

「これでやりましょう。」

と言った。先生がお湯の熱さを手で確認し、オッケーをもらったので清拭を開始した。まず上半身の衣類を脱がせる。先生が、

「患側と健側どちらから脱がせますか?」

と質問してきた。