それからナースは経管栄養について説明してくれた。するともう、午後の申し送りの時間だ。日勤から準夜勤のナースへの申し送りをする。私たちは再び立ったまま聞く。私の受け持ち患者さんの申し送り時、今日やった処置、バイタル、喀痰状態を送っていた。が、この頃の私には何をポイントにして申し送って良いかはわからなかったから、とにかくナースが言っていることをすべて残らずメモした。実習が終わるのは5時だが、申し送りが終わるまで残るので、5時半を過ぎていた。

「今日の実習ありがとうございました。」

と挨拶し、ホッとしながら寮に帰った。寮に戻るとメンバーでミーティングだ。

「たいげって何?」

「サクションって、痰を吸引することだよ。」

「ターゲスって何だろう。」

と、情報交換は続く。一時間半ほど話し合い解散し、夕食と入浴を済ませると、1号紙と3号紙を書かなければいけない。だが、初めての実習は予想外に足に負担がかかり、痛くてたまらないし、精神的にも肉体的にも疲れてとても眠い。だが、レポートは絶対書かなければ落第なので、眠い目をこすりながら、夜の10時くらいから勉強にとりかかった。ところが1号紙も3号紙も初めて書くし、わからないことが多すぎて、いちいち文献で調べながら書き進めていくので遅遅として進まない。結局初めての実習レポートは、明け方3時までかかった。

 こうして初めての長い実習一日目は終わった。