これは病棟主任がチェックして、赤ペンで質問や間違いなどを添削し、戻ってくる。赤ペンで書かれた箇所は書き足して再提出する。そして実習後は「考察」を目一杯書き、「おわりに」「参考文献」を書いて、それまでに書いた1号紙から3号紙とともに一つに閉じて、提出するのだ。看護学校に入ったときに、教務に、

「看護学校では、書いて書いて書きまくりますから。」

と言われたのはこのことだった。

 実習先が決まると、まずすべきは図書室で本を借りることである。看護の専門書は高価で、一冊4千円から5千円が相場だ。それに札幌まで行かないと、なかなか手に入らなかった。だからダッシュで図書室へ行き、内科なら内科系の本を数冊探して借りる。それからグループ内でリーダーを決める。リーダーの役割は、病棟での朝の自己紹介でのふりと、みんなのレポートを集めて教務に提出することや、ミーティングの司会など、何でも代表して行う役目である。また、教務や病棟主任とのパイプ役もしなければならない。なかなか骨の折れる仕事だ。皆、初めての実習で、リーダーなどやりたくない。話し合っても決まらず、結局こういうときの最終手段、じゃんけんで決めた。