こいつは、クラスで唯一の 『優等生』って奴で。 つまりは、授業とか全部出て、 寝てねぇ、ってこと、だろ? ノートコピらせてもらえんじゃん?みたいな。 中間テストはもうすぐそこだ。 ちょっとぐらいしゃべれるようになりゃ、余裕だろ。 絶対俺のことびびってんだろうし。 そう思って俺は、 5月の終わりになって初めて、 隣の席の女―鈴木初音(すずきはつね)に 声をかけた。 _