「それよりお嬢様、今日はもう最終日なのでしょう?お友達方と回ってこないのですか?」
「うーん…いいの!今日はピエールと話がしたくて!」

ピエールはとても優しく微笑んでくれた。

「ではあちらに座りましょう」
「うん」

私たちは傘がついているベンチに腰掛けた。
時代劇の団子屋さんとかにありそうなやつ!


「ねぇピエール?」
「何でしょう?」
「私たちがここへ来た日私を助けてくれたのはピエールなんでしょ?」
「………」
「私、レンに聞いたから知ってるよ?」
「良かった。ではお二人とも仲直りされたのですね」
「ねえッ、ちゃんと答えて…?」

私は一呼吸置いて、ゆっくりと話した。

「何で、教えてくれなかったの?何で、先に帰っちゃったの?」


ピエールは観念したかのように目を伏せ…話し始めた。