付き合って一週間後、私たちは映画を見に行った。
春休みに入ったばかりだったせいもあり、会場は酷く混雑していた。
私は、彼の隣りに座ることが妙に気恥ずかしくて、居心地が悪かった。
周りに友人がいないだろうかとかそればかりを気にしてしまって、考えてみたら彼との話の間も、おざなりな返事しかしていなかった気がする。
会場の中は三月中旬のまだ寒い時期にも関わらずエアコンが間に合わなくて、とても暑かったのを覚えてる。
今からすれば、どんだけ人がいたんだよっと笑いながらツッコミを入れたくなるほどに。
あれだけ混雑していたのに、映画は対して面白くなかった。
ありきたりな恋愛ドラマが繰り広げられていただけで、感情移入すらできないまま、遅いくる睡魔に身を任せてしまった。
映画が終わったあと彼ときたら、ぐすんぐすんと鼻を真っ赤にして泣いていて、一緒にいることが恥ずかしいくらいの有様だった。
「バカじゃないの。これくらいで普通泣かないでしょーっていうかこっちが恥ずかしいんですけどぉ‥」
「うっせ。お前は黙ってろよ」
そんな他愛のない会話をしながら私たちは電車で帰路についた。
このときの会話で初めて私は、彼が地元を離れることを知った。
進路の話をしたのはこれが初めてだった。
最寄りの駅が見えてくるまで、別れるのかなそれとも遠恋かな、と、そんなことばかりを考えていた。
だから、彼が何を話ていたのか、私はよく覚えていない。
春休みに入ったばかりだったせいもあり、会場は酷く混雑していた。
私は、彼の隣りに座ることが妙に気恥ずかしくて、居心地が悪かった。
周りに友人がいないだろうかとかそればかりを気にしてしまって、考えてみたら彼との話の間も、おざなりな返事しかしていなかった気がする。
会場の中は三月中旬のまだ寒い時期にも関わらずエアコンが間に合わなくて、とても暑かったのを覚えてる。
今からすれば、どんだけ人がいたんだよっと笑いながらツッコミを入れたくなるほどに。
あれだけ混雑していたのに、映画は対して面白くなかった。
ありきたりな恋愛ドラマが繰り広げられていただけで、感情移入すらできないまま、遅いくる睡魔に身を任せてしまった。
映画が終わったあと彼ときたら、ぐすんぐすんと鼻を真っ赤にして泣いていて、一緒にいることが恥ずかしいくらいの有様だった。
「バカじゃないの。これくらいで普通泣かないでしょーっていうかこっちが恥ずかしいんですけどぉ‥」
「うっせ。お前は黙ってろよ」
そんな他愛のない会話をしながら私たちは電車で帰路についた。
このときの会話で初めて私は、彼が地元を離れることを知った。
進路の話をしたのはこれが初めてだった。
最寄りの駅が見えてくるまで、別れるのかなそれとも遠恋かな、と、そんなことばかりを考えていた。
だから、彼が何を話ていたのか、私はよく覚えていない。