その日の講義は上の空で。

最終的には受けているのもイヤになって。


最後の講義はサボった。

いつもより早く図書館へ行く。


泉さんに…逢いたかった。


奥寺さんのことを話すつもりではなかったけど。

ただ笑って泉さんと話したかったんだ。



でも泉さんはなかなか現れない。


それもそうか。

だっていつもの時間より、早いもんね。



ふと、飾られていた花が変わっていることに気づく。

真っ黄色の大きな花。


一輪だけなのに存在感がある。


そうだ。

泉さんをビックリさせよう。


そう考えた私は図書館を彷徨う。



「……あった」


お目当てのモノ…植物図鑑


それを手に取りペラペラとページをめくる。




あの花の名前は…っと。