『そんなに不思議そうな顔しないでよ。
すみれちゃんが分かりやすいからいけないんだよ?』
奥寺さんの腕が肩に回る。
「やめてくださいよ…奥寺さん」
無理矢理笑顔を浮かべて奥寺さんの腕から逃げようとする。
でもそれはできなくて。
奥寺さんの様子が…おかしい。
いつもの優しい奥寺さんじゃない。
『いつものところ…行こうか』
半ば無理矢理ホテルへ連れて行かれる。
逃げようと思ったけど、逃げることはできなかった。
奥寺さんの鋭い視線。
無理矢理絡まされた手。
とてもじゃないけどこの状況じゃ逃げられない。
『すみれちゃん』
部屋に着くとすぐにベットへ押し倒される。
『俺がいるのに…浮気、するんだ?』
「浮気なんて…」
開きかけた私の口を奥寺さんが塞ぐ。
「や…やめてくださいっ!!」
必死で抵抗する。
それなのに、奥寺さんはやめてくれなくて。
手首を掴まれ、私は身動きがとれなくなった。