「そろそろ…帰りますね」
私は立ち上がる。
『また来てね。
1人でも大歓迎ですから。
じゃ、また明日、いつもの図書館で。』
軽く頭を下げてバーを出た。
ちょっと…飲み過ぎちゃったかな?
カラダが火照ってる。
『………すみれちゃん』
歩き出した私の肩に誰かが触れる。
え…?
この声って…
「奥寺…さん?」
なんで?
どうして奥寺さんがここにいるの?
帰ったんじゃ…なかったの?
私の頭の中は大混乱。
まともに奥寺さんの目を見られなかった。
罪悪感、とまではいかないけど…
でも、なんだか奥寺さんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。