「……来ちゃいました」


照れ笑いを浮かべカウンターの席へ座る。


泉さんは笑顔を浮かべ、何かを作り始める。


『はい、どーぞ』


目の前には綺麗なブルーのお酒。



「これは…?」


首を傾げるとニヤッと笑った泉さんが


『荒川泉スペシャルカクテル…です』

と、言った。



「また、長い名前ですね」

と、私が言うと泉さんは笑う。



『あ、そう言えば…僕、ここでお金はもらってないんですよ?』


思い出したような泉さんの言葉。


え…?

お金はもらってない…?


でもさっき

『雇われの身』

って…



そこへ奥から声が…



『おい、泉

久しぶりの仕事はどーだ?』