なんでだろ…

どうもこうして俺の前には邪魔者ばかり現れるんだろう。



『洋、行ったのか?』

カレーのお皿のすみをスプーンでつつく俺に貴大が声をかける。



『行くってどこに?』


カレーを一口口に運ぶ。

相変わらず甘ったるい味だ。



『図書館に決まってるだろ。

ほら…なんつったっけ?


荒川…荒川……』



『荒川泉、だろ』


貴大は手を叩く。



『俺、顔合わす自信ねぇーや…』


もうなんだか宣戦布告する気力もない。

今はとにかく、すみれさんの隣にいたい。


俺が1番すみれさんの傍にいるんだ、って確証が欲しい。