2ヒート目。

跨がったマシンのタンクにそっと手を当てる。

どうか。

俺の走りが出来ますように。



やがてシグナルが変わる。





第1コーナーで隆道がピッタリと後ろに付いたかと思うと抜きにかかる。

簡単に抜かれる訳にはいかない。

いつもより早くアクセルを開ける事でかろうじて隆道の前をキープしていた。

何周もその状態が続く。

まるで1ヒート目と同じ展開に俺は嫌だった。

とにかく隆道を突き放さなければ…

そのうち、周回遅れが出始めて前方のマシンにも気を使わなければならなくなった。

これまた嫌な…





悲劇はそこで起きた。