「光！」

そこに賢司さんと祥太郎がやって来た。

「わざわざありがとう」

賢司さんが光に頭を下げると

「いえいえ。
拓海は大切な友達やったから…」

光も頭を下げた。

「今日、こっちにいる事が出来るなら泊まっていく？」

賢司さんの申し出に光は目を輝かせて

「いいんですか？
俺、いっぱい話したい事があって…！！」

拓海が生きていた時、また光も日本のサーキットで走っていた時は時間があれば拓海の家に泊まっては一晩中話をしていた。

光も世界へ飛び出して、拓海も自分の事で精一杯になってきて回数が減って…

拓海がいなくなってから、光とも会う機会が極端に減った。

「そーや真由ちゃんも泊まりなよ。
みんながなかなか揃う時がないし」

賢司さんの言葉に俺と真由は顔を見合わせて頷いた。