真由と見つめ合っていると…

「らぶらぶ…」

後ろから声が聞こえた。

「睦海、寝たんじゃなかったの?」

俺はため息混じりに寝ぼけ眼な睦海を見つめた。

「トイレ…」

そう言って睦海はトイレに向かう。

「睦海には参るよ」

その言葉に真由はクスクスと笑いながら

「そのうち、4人で言い出すかも」

真由は俺の右側に寄り添うように座り直した。

「いつまでも子供達にそう言われていたいなあ」

…そんな事を言われたら。

俺の理性が。

どこかに飛んでいきそう…



「あー!ママ、ズルイ!!」

睦海がトイレから出てくるなり、俺の膝を狙って走ってきた。

「パパはあたしのもの!」

膝の上にドカッ、と座る睦海。

「何言ってるのよ!
パパはママの恋人なの!」

「パパの恋人はあたし!」

「むっちゃんはパパの子供でしょ?」

…何、この目の前の争いは。

「あたしはパパと結婚するの!」

…一瞬、動揺する俺。

「…パパと結婚しているのはママなのー!!」



「二人とも、いい加減に…!!」



言おうと思ったら。

寝室から泣き声が。



俺は苦笑いしながら立ち上がった。



賑やかな家庭になりそうだ。