「身体が辛いと、空がこんなにキレイだなんて忘れちゃうんだよね。…あんた若いのに一体どこが悪いの。」

「はぁ。ちょっと難病で…。」
花純はなんて答えていいか困ってしまった。
でも、本当にキレイな夜空。お月様がまんまるで、滲んだ光が余計にキレイ。私最近上を見たことなかったなぁ。
そして花純はその夜空を写メし、尋斗に送った。

無事退院し帰宅したが、相変わらず尋斗は夜勤も多く、不在がちだったがあさひや家事を積極的にやってくれた。

「花純。いいよ。俺がやるから、花純は少し休んでなよ。」
そう言って仕事帰りの尋斗は食事の用意をしてくれた。
仕事をしてるのに申し訳ないと、花純は自分が情けなかった…。そんな中、花純は身体の負担が少ない仕事に就く事が出来た。
毎日規定の時間を働くと言うのは、花純にはかなり過酷なものだった。家に帰ると、痛みで自分の身体がもう別物のようだった。
動けなくなって、痛みで泣き叫び救急車で治療する事も 度々あった。

何か他に方法は無いのか…花純も尋斗も必死に探していた。
花純はあまりの痛みにノイローゼ気味になっていた。
ある日、花純は物を投げ出し、大声で泣き叫んでいた。
「もう嫌ぁ。どうして?なんで私だけがこんなに苦しまなきゃいけないの…」