泣き崩れた花純を見て、尋斗も涙を流し花純を抱締めた。
「ごめん。何もしてやれなくてごめん。あさひの為にもう少し頑張ろうよ。頑張ってあさひを産んでくれたじゃん。花純は偉いよ。いっぱい頑張ってるよ。」

…少しづつ花純と尋斗の距離が近付いているように思えたが、尋斗もまた問題を抱えていた。

花純と尋斗は、たまたま近くの病院の小児科に行った時、ポスターを見つけた。

゛麻酔科(ペインクリニック) 麻酔で痛みを取り除き血流を良くし、治しやすくする状態を整える科です。
興味のある方はお尋ねください゛

!!
ペインクリニック?痛みの病院って事だよね…もしかして痛くなくなるんじゃないの?
でも痛みの病院なんだから行って見る価値はあるよね。

「尋斗…あれ。行って見てもいい?」

「花純。うん、一度診て貰おうよ」

麻酔科…どんな事するんだろう。痛みは治まるのかな。なんか怖いな。


「一之瀬さん。一之瀬花純さん。お入りください。」
コンコン…
「失礼します。宜しくお願いします。」

「あら。若い子がどうしたの?怪我でもした?」

「あの…実は…。」

事情を話すと、慢性の難病でシングルマザーでは大変だろうと、すぐに痛みの箇所を確認し麻酔を打ち始めた。