はらりと青いタオルを床に落としながら、
むくりと起き上がった。
彼が、藤谷優馬(フジタニユウマ)。


「よろしく、奈波。」


少し日焼けした肌と、大人びた低い声。
海からの風でさわさわ揺れる髪。
眠そうにちらっと微笑むその顔。



「優馬、寝ながら話聞けるのか、おまえ。
ちゃんと奈波さんの名前聞いてたじゃん。
まったく、そーゆーところ抜け目ないよなあ。
あ、俺、松永建都(マツナガケント)。ケンって呼んで!」

藤谷くんの後ろから乗り出してきたのは、
ちょっと大きな声の松永くん。

「えっと、美希と、ケンと、、藤谷、だね。覚えたよ!」