廊下の木のにおいをいっぱい吸い込んで
大きく深呼吸。

(よし。頑張るぞ。)


ガラガラ・・・

ざわめいていた教室が静まり返る。
20人の視線があたしに集まるのが
感じ取れた。

「奈波璃良」
黒板に書かれた小さな4文字。

「東京から来ました、奈波璃良です。
好きなことは友達と語ったりすることで、
特技はフルートを吹くことです。
えっと、、
友達からは呼び捨てで、璃良って呼ばれてたんで、
よかったら呼んでください。
よろしくお願いします。」


「それじゃあ奈波さんは、
あ、藤谷の隣、そこそこ。
窓側の居眠りしてるやつの隣座って。」