「美希お疲れ!すっごく速かったよ。」

「応援ありがと!うーん、最後の方抜いたけど。」

あれで抜いてるって、本気はどんだけなんだよ!?とケンちゃんは笑う。
女の子のパワーには男の子は勝てないよね。

「走ったらのど渇いちゃったぁ。」

「あたしお茶持ってくるね!」

そう言って璃良は救護室前にあるお茶を取りに席を離れた。
次の種目は1500メートル走。ケンちゃんが走るから早く戻って応援しなくちゃ。
そんなことを考えながら体育館のわき道を通っていると、
3人の女の子が体育館の裏へと走っていった。
どうやら同じクラスの子たちらしい。
先頭を走っていた女の子の手の中には、黄色い靴。

「あ、あたしの靴・・・!」


思わずその子たちを追いかける。