「おはよっ!」


昇降口で後ろから声をかけてきたのは美希。


「おはよう!朝から元気だね~」

「当たり前じゃん!今日から体育祭の練習だしっ。」

「体育祭!?まだ春なのに・・・」

「春だからやるんじゃん!ほら、静岡の夏は暑いからさ。」


この学校は新学期早々大きなイベントのひとつ、
体育祭がある。
そのための練習が、今日から始まるらしい。



「・・・ってなわけで、わが校の体育祭のビッグイベントは、全校生徒によるソーラン節なんだよ!これを踊りきった後のジュースがまた旨いんだな!」


教室で、体育祭について美希から話を聞いてたら、
ケンちゃんがソーラン節について熱弁しだした。


「わかったから、ケンちゃん黙ってて。でね、その時身に着けてたタスキを
好きな人と交換できると恋が叶うんだって!」

「んなの交換したトコで恋愛成就なんて、夢みたいなことあんのかよー」

「ケンちゃんには夢がなさ過ぎるの!女の子はこーいうジンクスもんが大好きなんだから!ね、璃良♪」

「うん!で、美希は交換したい相手とかいるの~?」

「な、璃良!意地悪しないでよ!もーう」

みるみる真っ赤になる美希。