「いいな、幼馴染とずっと一緒にいれるなんて。
うらやましいな・・・。」

あたしは転勤族で引越しを繰り返しているから、仲のいい友達と長くいれる美希に少し嫉妬した。


「幼馴染って、いいこともあるけど、つらい事も結構あるんだよ~、」
美希の思いがけない言葉で、あたしは彼女の方へと目を向けた。




「璃良には、言っちゃおうかなぁ。」

突然、美希は切り出してきた。

「ん、?何?」

「うちね・・・昔からケンちゃんが好きなんだ。」


いきなりの恋バナに驚く。

「え?そうなの!?びっくりしたよ・・・で、関係は?」

「あー、あいつ鈍感だからぜんっぜん気づかないんだ~、
でもあぁ見えて、ホントはすごく友達思いなんだよね・・・」

そうやって話す美希は、少し恥ずかしげに、でもまっすぐ前を見据えて言った。