そう言った俺を瑠璃は少し見上げて、手袋をはめた手で赤くなった鼻をおおって暖めた。
『まあ…ね。神田くんかっこいいし、目立ってるもん。女の子は必ず好きになっちゃいそうな感じっ。』
『…え』
じゃあ…瑠璃も?
そう思ったけど言えなかった。
それなのに、少し顔を出した俺の嫉妬心が、胸をチリチリと焼き付けた。
『…じゃあお前も好きにならないと、そのセリフ嘘になるぞ。』
とっさに出たセリフ。
自分の思いとは真逆のことを言ってしまった気がした。
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