『俺は、教師にどう思われようが関係ねぇの。成績で人生変わるワケ?』

『そういうんじゃないけどさあ…将来のためだよ。自分のやりたい仕事できるようにさっ。』

ハイッと、瑠璃は自分の英語のノートを俺に差し出す。

『いらねぇよ。英語は寝る予定。』

こんな瑠璃の優しさを、俺はいつも最初だけ突っぱねる。

『バカね、写すだけでも写して。損はないよ、あってる自信はないけど…とにかく、ハイッ!』

と、瑠璃は無理矢理俺の手にノートを持たせた。

『…サンキュ。』

こうしてようやく俺は素直に応じる。

授業までに返しそびれて瑠璃を困らせたコトは何度もあるけど。