駆竜(くりゅう)。

ファイアル地域では然程珍しくない魔物だ。

二足歩行型、人間程度の大きさの魔物で、常に群れで狩りをする。

魔物としては比較的知能も高く、連携攻撃で獲物を追い詰めるという。

名前こそ駆竜だが竜種ではなく、どちらかというとトカゲに近い魔物だ。

「…ナハトはここでじっとしてな」

俺は自動二輪を降り、腰の剣を抜いた。

駆竜とは何度か戦った経験がある。

そして三匹程度なら、俺の敵じゃない。

爬虫類のような無機質の目玉が、一斉に俺を見る。

俺を獲物として認識した目だ。

だがそれよりも速く。

「おおおおおっ!」

俺が先に動いていた。

駆竜が仕掛けるよりも速く、俺は間合いを詰める!

当然散開する三匹の駆竜。

だけどそんなのはお見通しだ。

俺はすぐに進行方向を変えて横っ飛びに飛び。

「おりゃあ!」

一匹の駆竜を一刀両断した!