ともかく装備品と薬などを購入し、俺達は準備を整える。

「少し待って…装備に着替える」

路地裏に引っ込んだナハトが、防具を着替え始めた。

待つ事数分。

「お待たせ」

出てきたナハトに、俺は絶句した。

確かに鋼を加工した防具だ。

しかし如何せん、防具が体を覆う面積が少なすぎる。

ファイアル地域は南に位置する土地柄、気候は暖かく寒いという事はないだろう。

だが何と言うか…目のやり場に困るのだ。

防具が覆っているのは胸元と腰周りだけ。

おへそなんて…丸見えだ。

「何…?」

無表情のまま、ナハトが俺を見る。

こんな半裸に近い格好で、こいつは恥ずかしくないんだろうか。

「い、いや…何でもない」

わざとらしく一度咳をして。

「行こう」

俺達は出発した。