とはいえ、まだ駆け出しの新米狩猟者である俺は金もない。

ナハトが資金提供してくれるというのは有り難かった。

早速街一番の武具の店に足を運び、武具を新調する。

ファイアル地域最大の国であるファイアル帝国に行けばもっといい品揃えなのだろうけど、当然値も張る。

ナハトの金なのだし、そこまで甘える訳にはいかなかった。

結局揃えたのは鋼を鍛えた一般的な剣と、同じく鋼を加工して造られた軽装の鎧。

俺は動きやすさを重視している為、自然と身につける防具も軽装になる。

それでも、これまで愛用していたなめし革を張り付けた木製の防具に比べれば格段の進歩だ。

ところで。

「おっさん、彼女にも何か防具を売ってやってくれよ」

俺は店主に言うものの。

「よそ者にはこれで十分だ」

店主が出したのは、まるで下着のような女性用の軽装の鎧だけだった。