「一つの失敗で、不信感を持つのは早計かと思われますが……?」


「俺達の商売は、些細な失敗が命取りとなる」


闘華の冷静な反論にも、ランスはすぐに言葉を返す。


「規模が小さいから、といって見逃していたら、ボヤ騒ぎが全焼って事にもなるからなぁ?」


もっともらしい正論を口にするランスだが、闘華は表情を歪める。


「賛同、できかねます。ですが……、不合理と言えば不合理ですね?」


組織に従属する者が刃向かうという事は、道理に反す。


「立場上、中立を保てるかわかりませんが……、親衛隊はなんとか抑えましょう」


無表情のまま冷静に自分の考えを説明し、闘華はランスの反応を伺うのであった。