闘兵衛はゆっくりではあるが、銃佐ェ門の傍まで歩いて行く。


「うぅ……」


銃佐ェ門は嗚咽をもらしながら、ただ、禁の死体を眼前に泣いていた。


「罠、だったようだナ?脱出するゾ……」


淡々と、闘兵衛は語りかけるように呟く。


「闘兵衛ぇ、禁が死んじまったよぉ……」


銃佐ェ門は、その状態を簡単に、しかしながら、重苦しく声にする。


「……死は誰にでも訪れる。戦って死ねるなら、ソレで本望だろう」


伏せ目がちながら、無理やり説得するかのようにして、闘兵衛は言葉を発した。