闘兵衛はゆっくりではあるが、銃佐ェ門の傍まで歩いて行く。
「うぅ……」
銃佐ェ門は嗚咽をもらしながら、ただ、禁の死体を眼前に泣いていた。
「罠、だったようだナ?脱出するゾ……」
淡々と、闘兵衛は語りかけるように呟く。
「闘兵衛ぇ、禁が死んじまったよぉ……」
銃佐ェ門は、その状態を簡単に、しかしながら、重苦しく声にする。
「……死は誰にでも訪れる。戦って死ねるなら、ソレで本望だろう」
伏せ目がちながら、無理やり説得するかのようにして、闘兵衛は言葉を発した。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…