「オニ……、ですか?」


ジェノスの発した言葉にルソウは心当たりがあるのか、尋ね直す。


「……」


「知っているのカイ?」


返事もせず、ルソウを探るようにして、視線だけ闘兵衛は送る。

ジェノスは情報収集の為に、改めて尋ねていた。


「知っていると言うか、噂を聞いた事がありまして……」


ほんの少し、小耳に挟んだダケなのだろう。


「オニには死神が憑く。と、耳にした事があります……」


記憶を搾り出し、ルソウは鬼という言葉について説明するのだった。