「判りません……。それでも僕らは、歩んで行きます」


トゥルウは首を軽く左右に振りながら、しかし、強い意志を持った眼で、禁に答える。


「……」


無言のままトゥルウから視線を外す禁は、宙を見つめた。


「……失ったモノは、元には戻りません」


トゥルウは神妙な表情でそう呟き、闘兵衛に視線を送る。


「それならば……、新たに造るしかないのだと、教えられました」


その表情には少年ではなく、1人の男としての顔が出来上がっていた。